導入・分析事例
一般社団法人広島県観光連盟 様
地域観光のデータ活用最前線 - 市町を含めた県全域で挑む観光DXとは
導入実績
今回、デジタル観光統計データを用いた観光人流ダッシュボード「おでかけウォッチャー」を活用した、広島県の先進的な取り組みについて、一般社団法人広島県観光連盟(以下HIT)の中野様と、一般社団法人三次観光推進機構(以下みよしDMO)の名越様にお話を伺いました。県全域でのデータ活用戦略と、市町単位での具体的な成果について詳しく聞いていきます。

お話いただいた方
一般社団法人広島県観光連盟(HIT)
経営企画・マーケティング事業部
プロデューサー:中野 隆治様(右)
一般社団法人三次観光推進機構(みよしDMO)
マーケティング&プロモーション部門
スタッフ:名越 陽介様(中央)
インタビュアー
株式会社ブログウォッチャー
営業本部 ソリューションセールスグループ
シニアコンサルタント 髙橋 知弥(左)
関係者全員が観光人流を、より簡単に、精度高く共通指標として活用できるように
大きな目標に向けた観光データ活用の基盤作り
まずは貴社の事業について教えてください。
HITは、広島県域の観光振興を担う組織です。お客様のことを知るマーケティング、お客様に満足いただくための魅力づくり、広島のファンづくりやインバウンド誘客、などを行っています。県や市町村、観光関連事業者と連携し、広島の魅力を国内外に発信。観光産業の発展と地域活性化に取り組んでいます。
おでかけウォッチャーを導入したきっかけについて教えてください。
HITは2030年に、県全体の観光消費額を2016年の約2倍となる8,000億円に倍増させるという野心的な目標を掲げています。そしてこの8,000億円という消費額は、一時的な集客の増加や短期的なブームによってもたらされるものではなく、HITが目指すのは、着実な積み上げによる持続可能な成長です。この目標達成には、従来の延長線上にはない新しい取り組みへのチャレンジと、長期的視野に立った持続可能な観光地づくりが不可欠だと考えています。そこで、「何度も訪れたくなる観光地」を目指すことを最重要課題と設定し、それに向けたデータに基づくマーケティングの重要性を強く感じていました。
おでかけウォッチャーの導入は、この取り組みの第一歩となります。観光に関わる全てのパートナーが観光データを活用できる環境を整えるため、まずは収集・可視化を目的として採用させていただきました。
関係者が共通指標として使いやすく、広げやすい価格帯が決め手
導入の決め手は何だったのでしょうか?
導入を検討する過程で、複数のサービスを比較しました。しかし、既存のサービスでは人流把握のメッシュ粒度が粗かったり、個別の観光スポットを詳細に分析することが困難でした。また、当時は固定的なレポート形式での納品が主流で、分析の自由度に制限がありました。
そんな中、おでかけウォッチャーは以下の点で優れていると感じました。
①観光スポット単位での自由な地点登録で詳細な分析が可能 ②直感的で機能豊富なダッシュボードによる容易なデータ可視化・分析 ③準リアルタイムデータ提供による迅速な状況把握 ④データのダウンロードと独自加工を可能にする高い柔軟性 ⑤県主導のサービス導入により、各市町への低コスト展開を実現
その中で、最大の決め手となったのは「5」です。HIT主導で市町分のアカウントもあわせて契約し、県内市町やDMO等へアカウントをお渡ししており、これによって市町等のパートナーと同じデータを見ながら議論できる環境を構築しています。8,000億円という野心的な目標達成には、HIT単独ではなく、観光に関わる全てのステークホルダーの協力が不可欠です。おでかけウォッチャーの導入により、観光戦略の策定やマーケティング施策の検討において、より効果的なコミュニケーションと戦略的な施策実施が可能になるのではないかと感じました。
観光データ活用で進化する市町
観光人流を分析し、最適なターゲットへのアプローチを実現
みよしDMOではどのように活用をされてきましたか?
みよしDMOは、三次市の観光振興を担う組織です。豊かな自然と歴史文化を活かした魅力的な観光コンテンツの開発、戦略的な情報発信、事業者支援を行っています。データ活用やインバウンド促進にも注力し、市や地域事業者と緊密に連携。持続可能な観光地域づくりを通じて、三次市の観光産業発展と地域経済の活性化に努めています。
みよしDMOでは、おでかけウォッチャーの導入により、観光客の動態を精緻に把握し、データドリブンなマーケティング戦略を展開することが可能となりました。
具体的な成果として、広島県外からの来訪客数をデータ分析したところ「山陰地域からの訪問者が多い・相対的に近県でも岡山県・山口県からの来訪客数は多くない」ことが定量的に明らかになりました。特にデータを基に「山陰地方の島根県大田市以東~鳥取県米子市以西」に集中したプロモーションを展開した結果、当該地域からの訪問者数が顕著に増加したデータが得られました。
また、例年の花火大会の人流を分析することで、大会当日、会場中心部のみ来訪者数が著しく増大し、主要観光スポットへの波及効果が限定的であることが判明しました。この発見を受け、現在は効果的な周遊促進策を積極的に検討中です。
おでかけウォッチャーの真の価値は、観光地の現状と理想像とのギャップを可視化できる点にあると考えます。導入により、みよしDMOはデータに基づく戦略的な観光経営を実現し、地域の観光産業の活性化に向けて着実な前進を遂げています。今後も継続的なデータ分析と戦略立案により、さらなる観光振興を目指してまいります。
従来の勘と経験に頼る観光施策検討から脱却
おでかけウォッチャーをうまく活用できている理由はズバリなんでしょうか?
活用がうまくできている理由は、「データへの興味関心の高さ」と「データに基づく意思決定の重視」にあります。みよしDMOでは、データを元に意思決定することを重要視しており、担当者もデータを活用した観光戦略を実現したいと強く考えています。従来の勘と経験に頼る観光業から脱却し、自分の武器を作るイメージでデータ分析の勉強を重ねてきました。また、おでかけウォッチャーのサービスは視覚的にわかりやすく、週次で更新されるため迅速な意思決定が可能です。ボタン一つで必要な情報が得られる点も大きな魅力です。
広島県が描くおでかけウォッチャーの次なる活用戦略
DMPによる観光産業全体での観光データ活用に向けて
今後はどのような展開が見えていますか?
現在、ひろしま観光公式サイト「Dive! Hiroshima」内のDMPに観光データを集約することで、県の観光産業全体での、データ活用の幅を広げていくことを目指しています。最近では、市町との対話においても、おでかけウォッチャーに関する話題が増えており、データ活用への関心の高まりを実感しています。この機運を活かし、今後はDMPの取り組みの一環として専用の会員ページを作成し、おでかけウォッチャーから得られる洞察等を、市町以外の関係者とも共有できるようにしていきたいと考えています。
DMPへのデータ掲載により、関係者が最新の観光データに容易にアクセスできるようにすることで、データを活用したより効果的なマーケティングが実施できる体制を構築していきます。こうした取り組みにより、地域内の魅力を最大限に引き出し、観光客の満足度向上やリピーターの増加にも繋げていきたいと考えています。観光は団体戦!広島県の関係者が一丸となって観光業のさらなる発展に取り組んでいきたいです。
最後に、おでかけウォッチャーの導入を検討している団体へメッセージをお願いします。
現状把握はマーケティングの第1歩。早く・簡易に・均質なデータを分析することで、より効果的な打ち手につながると思います。(HIT 中野様)
工夫しだいで様々な分析に活用できる汎用性が大きな武器であると考えます。「選択と集中」の実現効果としてコスト削減を図れることも重要なポイントです。(みよしDMO 名越様)
ありがとうございました。
事例まとめ
- 県主導の導入により市町への低コスト展開を実現。
- データドリブンな戦略でターゲットプロモーションが成功。
- 共通指標として活用し、効果的なコミュニケーションを実現。
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